亡くなった主人の代わりをしてくれるのは、逞しくなった私の息子です
季節は巡り、早や立春である。
とはいえ、春はまだ遠しという感じだ。
あたしは、夫に先立たれて一人になってからというもの、ウツを発症し、病院を転々とする毎日だった。長かった更年期障害も終焉を見せ、却って心の空洞が大きくなったように思える。もはや修復不可能なくらいに。
息子が二人いるのだけれど、未婚だが独り立ちしてくれている。
彼らの心配をしないでいいだけ、まだましなのだ。
息子達は、あたしの住む公団住宅にほど近いワンルームマンションを借りて2人で一緒に暮らしていた。
...